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- 平成25年2月より企画展示室のテーマが替わりました②イベント告知
当館企画展示室では、本年2月1日よりテーマが替わりました。第一弾では由緒ある『油日神社』と『大鳥神社』を紹介させていただきました。第2弾としまして『櫟野寺』と『阿弥陀寺』そして近江の代表的な製薬会社としてメンタームの『近江兄弟社』を紹介いたします。
先ず、甲賀市甲賀町櫟野にあります『櫟野寺』(らくやじ・いちいのでら)の紹介です。櫟野寺は「いちいの観音さん」と呼び親しまれ信仰を集めております。この観音さまは今から1200年前、比叡山開祖の伝教大師(最澄)さまによりこの地の櫟(イチイ)の霊木をもって一刀三礼のもとに謹刻安置されたのが「十一面観世音菩薩」(いちいの観音)と伝えられ、日本最大坐佛観音さま(甲賀の大仏)で国指定重要文化財となっております。
本像は、像高312cmの一木造で、櫟野寺の本尊として大悲閣(収蔵庫)内に安置されている秘仏です。左手に華瓶、右手は膝上に念珠をもち、頭上には十一面化仏をのせ、吉祥座を組んでおられ、像形などから平安初期の造像と考えられています。
このお寺の境内には、伝教大師お手植えの槙の木(樹齢1,200年)があります。
また、坂上田村麻呂公は当寺を祈願寺と定め、家来に命じて国技である相撲の土俵を設けられ、
秋(大会式10月18日)には今でも奉納相撲が開催されております。
観音様を彫刻されたイチイの木は医学的にも注目され、特に針葉樹セイヨウイチイの樹脂が抗がん剤となり医療的にも文献が揃えられているそうです。
イチイの木がどんな木かご存じない方は、展示してありますので一度見にきてください。
次に紹介いたしますのは、甲賀市甲賀町櫟野にある『阿弥陀寺』の紹介です。
戦国時代には、櫟野寺(天台宗)は七つの末寺があり、その一つに『阿弥陀寺』がありました。戦国時代の1569年に焼失してしまい、1609年に再興されて天台宗から浄土宗寺院となりました。現本堂は、1959年(昭34年)に改修されました。
本堂の中央に本尊『阿弥陀如来坐像』(国の重要文化財)がまつられています。像高は109cmの一木造りです。平安時代初期の作で塗箔は剥落して全体は黒色になっています。
阿弥陀如来坐像の左の脇壇には、一木造りの金色像である『聖観音立像』(国の重要文化財)が安置され、左端には一木造りの『薬師如来立像』(県の文化財)があります。
右の脇壇には、銅造りの『釈迦誕生佛』があります。像高10.6cmの小像で7世紀の作と言われ、県内における数少ない誕生佛のうちの最古の像だそうです。
次に紹介いたしますのは、滋賀県近江八幡市にあります近江の代表的な製薬会社としてメンタームの『近江兄弟社』です。
『近江兄弟社』の創業者はウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏でアメリカ生まれです。大学時代に外国伝道を志し、1905年に来日。滋賀県近江八幡に、英語教師として赴任します。
ヴォーリズ氏は、商売で儲けた資金を社会奉仕に投入することを理念に、信仰と事業を両立させた社会奉仕グループを構築していきます。私有財産を持たずに社会の貢献に費やした偉業は今日でもずっと、有形無形の文化遺産等「想い」として、私たちの生活に息づき愛され続けています。
『近江兄弟社』の社名は、ヴォーリズの愛した「近江」の地名と、クリスチャン精神に基づき目的に向かって心を一つにする仲間という意味を持った「兄弟」を合わせて命名されたものです。
ヴォーリズ氏とA.Aハイド氏との交流と親交により外皮用薬のメンソレータムが誕生しました。1920年ヴォーリズ氏が起業した近江セールズ㈱(現近江兄弟社)でメンソレータムの輸入がはじまり、1931年からは日本でのメンソレータムの製造も開始しました。そのメンソレータムは現在、「近江兄弟社メンターム」のブランド名で、暮らしの中で愛され続けております。
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