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- 夏の身近な薬草の紹介 ⑦イベント告知
今年の梅雨明け宣言は例年になく早かったですね。それからの暑いこと、暑いこと。暑いだけじゃなしに、とても蒸し暑いです。日本の群馬県でも39.5度という考えられない気温を記録しました。
日本中で熱中症患者が増え、とても危険な状態です。暑すぎる時は野外活動を取り止め、できるだけ涼しいところでこまめに水分補給をし、熱中症にならないように個々で対策をとって下さい。また、小さな子供さんは大人や保護者が気をつけて見てください。
まだまだ暑さは続きます。健康に気をつけて、この暑さを乗り切りましょう。
それでは、「夏の身近な薬草の紹介」の続きを見てください。
◇ゲンノショウコ ◇(フウロソウ科)
◎自生、特徴
山野の道端など、どこにでも見られる多年草です。夏から秋に1~1.5cmほどの赤や白の花を咲かせる。柄の先に2個ずつ花がつき、花弁に5本の紅脈があるのが特徴です。花の下の萼(ガク)を残して花弁は落ち、果実は熟すると開裂して種子を飛ばします。その形が御輿に似ているためにミコシグサともいわれます。
◎薬用部位と薬効
開花期の地上部を採集し、乾燥させたものが生薬の現証拠(げんのしょうこ)です。下痢止めによく用いられます。1回15g程度を煎じます。湿疹やかぶれにはこの煎じ液を冷やし、ガーゼや脱脂綿に浸して患部をよく洗います。浴用剤としてもよいそうです。
◎名前の由来、その他
“現証拠”でよく効くことに由来する。中国の老鸛草(ろうかくそう)といわれるものとは基源となる植物が少し異なります。また葉の形が猛毒のトリカブトに類似しているので、よく地上部を観察して採集するようにしてください。
◇ドクダミ ◇(ドクダミ科)
◎自生、特徴
日陰によく生育する上に、特有の臭気が生の葉や茎にあるのでよく知られています。6~7月に花茎を伸ばし、4弁に見える白い花を咲かせます。白い4弁は総苞片(そうほうへん)で、花はその中にあります。
◎薬用部位と薬効
花期の地上部を刈り取り、乾燥させたものがジュウヤク(重薬、十薬)です。
高血圧や利尿剤として1回5~10gを煎じて服用します。また、生葉を火であぶり、腫れ物に貼ったり、生葉の搾り汁を虫さされにつけたりと色々と使用されます。中国では魚腥草(ぎょせいそう)という名前で用いられています。
◎名前の由来、その他
薬効が多いことから重薬、十薬となりました。ドクダミは“毒痛み”からきています。
葉は食用として天ぷらや湯がいてお浸し、油炒めなどにも用いられます。
◇ナンバンギセル ◇(ハマウツボ科)
◎自生、特徴
葉緑素を持たない寄生植物です。ススキやミョウガ、ショウガなどの根に寄生します。茎は三角形で鱗片状の赤褐色の葉をまばらにつけ、大変短くほとんど花柄を葉の付け根から出し、頂上に1個、花を横向きに咲かせます。萼は赤褐色で淡紫色のスジが入り、花冠は淡紫色です。
◎薬用部位と薬効
9~10月に全草を採集し、水洗い後日干しにしたものが生薬です。強壮、鎮痛、消炎効果が期待されています。また、咽喉の腫れや痛みに用いられます。
◎名前の由来、その他
南蛮人が口にくわえるキセルに似ているために名付けられたといわれます。万葉集では、横を向き物思いにふけるような姿から思草(おもいぐさ)といわれています。
「夏の身近な薬草の紹介」⑧はもう少しだけ残っています。お楽しみにネ。