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- 身近な薬草の紹介 ①イベント告知
緑豊かな鈴鹿山脈に抱かれたわが甲賀町は、“鹿深の郷(かふかのさと)”とも呼ばれ、甲賀忍者発祥の地として日本はもとより、広く世界にもその名を知られています。
また、一方では全国を駆け巡っていたこの甲賀忍者の経験が生かされ、各家庭を訪ねて薬を売り歩く配置販売業が盛んとなり、その後、医薬品をはじめとする多くの医療関連企業の立地が進むなど「くすりのまち」として発展してまいりました。
ここで、身近な薬草等を少し紹介しましょう。
◊アカネ ◊アカネ科
◎自生、特徴
山野によく見られ、茎は細いが全体に逆刺がついていて、他のものに絡まりよく生育する。蔓性で茎は四角く、根は赤黄色をしている。夏から秋にかけて多数 の淡黄緑色の円錐状の花をつける。果実は熟すと黒くなり、ほぼ1~2個の種子をつける。
◎薬用部位と薬効
根を茜草根(せいそうこん)といい、止血や浄血作用、鎮咳や去痰作用もあるとされている。染色用植物としても有名である。
◎名前の由来、その他
根が赤く染料となることからアカい根となった。根を煎じた液に布を入れ、1年 近く放置後、数回煎じ液に入れては乾燥させるという、大変手間のかかる作業の後に茜染が完成する。ヨーロッパでもセイヨウアカネが同様に用いられる。
◊ムラサキ ◊ムラサキ科
◎自生、特徴
日本全土の水はけの良い草地、草原に普通に自生するが現在はほとんど自生は見られない。草丈は60センチくらいで茎は直立する多年草です。
葉の付け根部分に、6~7月ころ茎頂(けいちょう)に、ロート状の小さい白い花(直径4~5㎜)を咲かせます。太いゴボウ状の根をもち、乾燥すると暗紫色である。
◎薬用部位と薬効
生薬名はシコン(紫根)といい、乾燥して砕いた根を用います。紫の色素中の有効成分には殺菌力や肉芽形成作用があり、やけど、腫れ物、痔、あれ止めなどに用いられます。また、紫根は皮膚粘膜の異常細胞を取り去り、新しい皮膚の形成を促進する生薬として注目されています。
◎名前の由来、その他
中国最古の薬物書、神農本草経(しんのうほんぞうきょう)には、紫草として出てきます。また、本草綱目(ほんぞうこうもく)には「この草は根が紫で、紫染めの染料になるところから名づけた」という記述があります。
「茜さす 紫野ゆき 標野ゆき 野守は見ずや 君が袖振る」 額田王
ムラサキと聞けば、この万葉集の額田王の歌に詠まれたむらさきです。聖徳太子の時代より紫色は最高位の服色とされ、珍重され、染色の原料にするため栽培が行われてきた。
また、ムラサキは和歌山の名医である華岡青洲家伝の「紫雲膏」に処方されています。